結局ReaderもGALAPAGOSもiPadとkindleに勝てない悲しさ

ここ数日で電子書籍に関する話題が多くなってきましたね。SonyのReaderとSHARPGALAPAGOSSONYのReaderは電子ペーパーを採用しているのでKindleに近く、GALAPAGOSは液晶カラーディスプレイなのでiPadに近い印象です。

SONY Reader

  • 5インチディスプレイ搭載「Pocket Edition」(PRS-350)2万円程度
  • 6インチディスプレイ搭載「Touch Edition」(PRS-650)2万5000円程度

SHARP GALAPAGOS

  • 10.8型「ホームモデル」5万4800円(Web直販のみ)
  • 5.5型「モバイルモデル」3万9800円(Web直販のみ)

まずReaderに関しては、デザインはなかなか印象が良く、カラーバリエーションも豊富で好感が持てます。ところが、通信機能はWi-Fiも含めて一切なし!。Windowsとつながないとコンテンツが増えません...。この時点でもう終わっているとしか言えないですね。Kindleが3Gを載せたものまであるのと比較すると悲しくなります。最低限Wi-Fiを載せて上位機種で19800円ぐらいでないと広く普及するのは難しいと思います(音楽機能は省いていいから)。

次にGALAPAGOSですが、こちらはWi-Fiを搭載しています。54800円という価格はiPadの16GBと32GBの間ぐらいの価格です。そして765gという重さはiPadWifiモデル(680g)はおろか、3Gモデル(730g)より重くなっています。iPadは9.7インチですから1インチサイズが大きいとはいえ、重さに対する不満が多いiPadよりも重いというのは書籍専用端末としてはいかがなものでしょうか?名前がホームモデルということなので重くて持ち出せませんと公言しているようです。
モバイルモデルはGALAXY Tabの7インチ382gよりさらに一回り以上小さい形状となっています。ここまで小さくなると電子書籍端末としては微妙なサイズで、4インチのスマートフォンより少し大きい程度であることからスマートフォンにさらに専用端末を持ち歩いてまで利用したいか悩むことになりそうです。

結局この2つの端末を買わないといけない人は、現状日本の端末のみに囲い込まれたコンテンツがどうしても欲しい人に限られる気がします。現状日本のコンテンツはiPadKindleにはほとんど提供されていません。どちらも専用のプラットフォームを利用するものでそこに高額の利用料が落ちるのを好ましく思っていないコンテンツホルダが多数いると言うのが現状だと思います。ただユーザー視点で見れば多くの端末で末長くコンテンツが利用できることを期待しています。GALAPAGOSのようにDRMで1台の端末に限ってがちがちに固めたものはSONYが音楽で失敗したATRACを思い出させます。Kindleに関して言えばAmazonから購入したものは複数のKindle端末(アプリ)で見ることができます。

コンテンツが私たちの欲しい端末で出てこないときはどうしたらいいか?それは音楽でも試されたことですが、消費者がその端末を購入しないことです。音楽ではWalkmanの失敗のおかげでAppleのプラットフォームに楽曲が出てくるようになりました。

今回の電子書籍でも同じことが起きることを危惧しています。Appleのプラットフォームに牛耳られる姿は好ましくないと思っています。ただその対抗馬として日本から発売される端末がこの程度で、配信プラットフォームもコンテンツの囲い込みに頼っている姿は決して健全ではありません。

とにかく今回の発表でユーザーはがっかりし、1年後のブラッシュアップを待つかiPadにコンテンツが出てくるのが先か考えて、現行機にはお金を出せないでしょう。とにかく早く力強いプラットフォームとそれに連動した魅力的な端末が出てくることを願ってやみません。

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GALAXY Tab SC-01C