Appleは新OS iOS4をなぜ無償で提供するのか?

新型iPhoneの発売前にiPhone用のOSであるiOS(旧:iPhone OS)がアップデートされます。ちなみに今回からiOSという名前になりますが、ネットワークに詳しい方はIOSと聞くとCiscoを思い浮かべるのではないでしょうか?自分たちがいいと思う名前ならなんとしてでも奪ってしまうAppleですが、以前もCiscoともめたことがあるので、今回は事前調整済みだそうです。(ちなみに新機能のFaceTimeについては、Face Time Communicationsという会社から買い取って、この会社は社名を変更するそうです...。)
さて、それはさておき、今回のOSアップデートでは、iPod Touchも無料でアップデートできます。これまでiPhoneは無料なのに、iPod touchでは1000円程度で販売していたのになんという大盤振る舞いでしょう!
とはいっても、Apple時価総額Microsoftを抜いて急に気前がよくなったわけではないと思います。実は今回のOSアップデートでは、iAdという広告プラットフォームが導入されます。これはアプリ販売の収益だけではなく、開発者に利益をもたらす仕組みとして導入されるものですが、Appleにも広告費の4割が入るおいしい広告配信プラットフォームなのです。つまり、OSを販売して小金を稼ぐよりも、今回は広く新OSを使ってもらって、広告配信先を増やす方が得策と考えたのでしょう。さすがApple、ぬかりないです。
これがうまく機能すれば、エンドユーザは安価にアプリを買うことができ、アプリ開発者はあまり儲からないと言われているアプリ開発に再度熱が入るでしょうし、Appleはもちろんおいしいという素晴らしいシステムになることでしょう。
iAdは7月1日スタート。既に60億円規模の広告出稿があったそうで、電通などもうかうかしていられないかもしれませんね。(というか日本の広告は日本の広告代理店が絡んでるのかな?)
Apple iPhone 4